ベルリンでの保育園・幼稚園への入所手続き・方法

以前、「はてなブログ」で匿名(のつもり)で「ベルリン育児戦争」というブログをやっていたのですが、もう全然まめに更新しなくて、ほんとスンマセンでした。ひさしぶりに覗いてみたら、KITAへの入所に必要な手続きについて詳細知りたいとコメントをいただいていたのに初めて気づき(メール通知設定していなかった・・・)。半年以上前の書き込みでしたので、コメントをくださったかたにはもう不要となってしまったと思います。ごめんね、役に立てなくて。 せめてこれから情報をあつめてKITAいれるぞ!というお母さんたちの為に、以下にまとめます。


保育園は何歳から?

hof von kita

KITAの中庭。卒業する前年からリノベーションが始まり、とっても綺麗になりました。

ベルリン(特に東地域かな?)では保育園、保育所、幼稚園などひっくるめてKITA(キータ、キタ)と言います。現在4歳になる息子も毎日元気に通っておりますが、通うようになるまでのエピソードは「ドイツの現地保育園KITAはよいところ?」をご一読くださいませね。

まず、ベルリンに限らずドイツでは9月が新年度の始まりになります。そしてこれは州によって違うと思いますが、ベルリンでは3歳(たぶん、その年の12月31日までに3歳になる子も含む)以上の子どもは一律に「KITAへ通う権利」が発生します。また、もちろん権利は保障されませんが、0歳児保育からやっているKITAもあります。

8月には一番上の子どもたちが卒園していき、新しい子どもたちがボチボチ入りだします。そう、こちらでは仰々しい「入園式」や「卒園式」は一切ありませんwww。小学校は入学式ありますけどね。KITAはあくまで通過ポイントなんでしょうね。 私の住む区では子どもが多く、たいていどこのKITAも入所待ち。待機児童がいっぱいいます。なので入りたいKITAを見つけても、順番リストに名前を乗っけて貰うのがまず最初、という風に考えておくのがいいみたいです。

何時間預かってもらえるか?

預かって貰える時間帯はKITAにより前後しますが、保護者の状況いかんにかかわらず、預かってもらえる時間は最低4時間からかな?朝が早いドイツでは、KITAも6時半ぐらいからやっています。

子どもに関われる全ての保護者が就学・就労などの理由で6時間以上保育が必要な場合は、案件に合わせて延長されます。ちなみに我が家はウマイ事やって、9時間以上の保育をしてもらえる権利を獲得しています。(でも、ぜんぜん使い切ってはいないですよ。)

保育料は日本と同様に、世帯の収入に比例して決められます。ちなみにベルリンでは、小学校へあがってもドイツ語がおぼつかない移民の子どもたちを考慮して、もっとちゃんとKITAへ行ってくれるように、と、ここ数年保育料の無料化に取り組んでいます。2009年には就学1年前の子どもが保育料無料になったのに続き、2010年には就学2年前まで、さらに2011年には就学3年前の子どもまでが無料になったようです。財政赤字に苦しむベルリンですが、ここは太っ腹ですね。

ではさて、保育園・幼稚園(以下、KITAでまとめます)への入所は以下のような流れです。

1.通わせたいKITAを見つける。

これがね~、一口に「見つける」といってもなかなか時間がかかります。私は現地での情報源が乏しかったので、とにかくネットで探しまくってみました。一応、KITAの紹介サイトなどいろいろありますが、載っていない所も結構あります。近場がいいなら自分の足でぐるっと散歩がてら探してみるのもいいですが、日本のように看板がデカデカとかかっていませんので見つけにくいという難点が。一番いいのはやはり口コミです。それと近所に子育て中の知人・友人がいれば最高ですが、それならこんな記事を読む必要もないでしょうなぁ・・・・。ちなみにベルリン市のウェブサイトからKITAのリストを見ることもできます。目的の区で検索してください。

さらにもう一つ、通わせたい区の区役所へ行って見るという方法もあります。区役所(Bezirksamt)のKITA申し込みを受け付けているあたりに行くと、入所受付中の最寄のKITAのリストが貰えるそうです(友だちに聞いた)。掲示板にも色々と案内が貼ってあるので、有益な情報が得られるかもしれません。

2.KITAへ話を聞きに行って見る。

KITAへの入所手続きには「申し込み(Anmeldung、この場合は「住民登録」ではありません)」を役所で行う必要があるのですが、その前に一度KITAへ行っておく事をオススメします。書類の不備があったりすると何度も足を運ぶ事になったりして、結構すんなり取れないKITA入所への黄金切符「Gutschein」。本来は「商品券」という意味なのですが、何故かKITA入所の許可も「Gutschein」と言うのです!これは辞書に載ってません。何せ、ドイツ人ですら「へ?Gutschein?それって買い物とかに使うヤツですよ?」と訝っていたぐらいですから・・・

で、そのGutscheinがご丁寧に発行から3ヶ月の有効期限付きなんす。なのでせっかくGutscheinがとれても、肝心のKITAがいっぱいで何ヶ月も入所待ち・・・なんて事もよくある話なので、まずKITAで空き状況を聞き、順番待ちの場合はおそらくリストに入れてもらうという事になると思います。

そしてさらに、役所への申し込みは登園予定の2ヶ月前までにに行うことと決まっています。これ、Hortでもそうだったのですが、つまり申し込んでから、許可がおりるまでに2ヶ月掛けさせてもらうから!と宣言してるんですね。なのでおおよその入所時期がわかったら、逆算してタイミングをあわせて区役所へ行くようしなけりゃいけません。つまり入所予定5ヶ月前~2ヶ月前の間に動く(とゆーかその間しか動けない)という事になります。でもこれ、担当官によっては事情を汲んでスグに出してくれたり、とにかく全部つっぱねられたり、と対応が一律じゃないんですよね・・・これまたドイツ的・・・・。

3.区役所へ申し込み

KITAの空き状況も確認し、リストもいれてもらったら(実はここにも落とし穴が。KITAはGutscheinがなきゃリストにいれてあげないと言い、区役所はKITAのリスト入りしてなければGutshceinはやらんと言い・・・と言うたらい回し状態に陥った話も。どっちかを説得するしかないんでしょうねぇ・・ああドイツ的な話やねぇ)書類を揃えて区役所へ「Anmeldung(申し込み)」にいきます。

申し込み書類のフォーマットはベルリン市ウェブサイト:保育申し込みからPDFをダウンロードできるようになっているので、あらかじめ記入してから区役所に行くこともできます。その他、申し込みに関する書類も上記サイトからPDFを閲覧できます。

我が家が必要だったのは以下の書類でした(2007年当時)。保護者は前年まで外国に居住していた外国人、という構成になります。配偶者がドイツ人の場合はまた別でしょう。さらにややこしいことに、私は当時日本の会社に在籍しており、また夫は海外研修という身分でドイツにきていました。

  1. 記入済みの申し込み用紙(ベルリン市ウェブサイト:保育申し込み、役所にも置いてある)
  2. パスポート(家族分)
  3. ドイツの住民票(家族分、コピー)
  4. 出生証明と翻訳証明つき独訳(家族分、コピー)
  5. 前年の収入を証明するもの(私と夫)→日本の役所発行の課税証明書と翻訳証明つき独訳(コピー)
  6. 子どもを預ける理由を 証明するもの(私)→日本の在職証明(勤務時間を明記!)と独訳(コピー)
  7. 子どもを預ける理由を 証明するもの(夫)→研修証書と独訳(コピー)

ちなみに出生証明の翻訳証明は領事館で取得できます。課税証明については文書で日本の区役所へ連絡して送ってもらった・・・んだっけ?直接エアメールで送ってくれたのかどうか、失念してしまいました・・・(トシかしら)。さらにこに課税証明は領事館で翻訳証明が取れないので、認定の翻訳家を紹介していただいて、翻訳を依頼しました。あ~めんどくさかった。公式な文書は翻訳証明付の独訳が必要なのでお金もちょっとかかるわけです。

4.Gutscheinを貰ったら晴れてKITAへ!

我が家の場合は事情を汲んでもらうことができ、申し込みから2ヶ月とまたずGutscheinをいただけ、また役所が近い事から直接取りに行きましたが、通常は郵送で送られてきます。Gutshcein忘れた頃にやってくる・・・これまたドイツ的。これを持ってKITAへ行けば、手続き完了です。お疲れ様でした。


とまあ、こんなもんだったかなぁ。もう4年前ですか、だいぶ忘れちゃいましたがw 何か手順を飛ばしてしまっているかもしれませんが、どうぞご容赦ください。

当時は何を出せばいいのやら見当がつかず、何度も役所へ足を運びました。役所の窓口がしかも週3日ぐらいしか開いてなくて、やっていても午後2時ぐらいで終わってしまったりで本当にストレスフルでした。ドイツ語も全くわからんし。ドイツ人の友人に同行してもらっても、本人も保育園の手続き自体が初めてで要領を得ないこともありましたので、同行してもらうなら経験者のドイツ人に限ります。きっとすごく頼りになるでしょう。

というわけで、長くなりましたがこの辺で。誰かのお役に立ちますように。

おススメの本

ドイツに来て右も左もドイツ語も全くわからない時に大変お世話になりました。地域差による情報誤差はありますが、ベルリンでも大いに役立ちました!

制作者近影

制作者 : 樋口 美徳(ひぐち みのり)
Webデザイナー・グラフィックデザイナー・イラストレーター
美大卒業後インターネット黎明期に独学でWebサイト制作を学び、1999年より日本の会社でデザイナーとして2008年まで勤務。勤務中2007年にドイツ・ベルリンへ移住し、以後フリーランスとして働いています。
夫と長女(大学生)、長男(高専生)の日本人4人家族でドイツ生活絶賛サバイバル中です。

制作者の紹介へ制作実績へお問い合わせ